土地登記簿上の地目が田や畑であっても、その現況が農地以外(宅地や雑種地など)になっている土地で、一定の条件を満たしている場合は非農地としての証明を受けることができます。
非農地証明は行政サービスとして発行する証明書で、法律に定められた証明ではありませんが、 登記簿上の地目(田・畑)を農地以外に変更する場合には、農業委員会が発行する非農地証明書を登記申請に添付する事によって農地以外の現況地目に変更する事が出来ますので、所有権移転や転用に際し農地法の許可等が不要となります。
※非農地証明は所有権移転等に必要な『登記原因についての第三者の許可を証する情報』にはなり得ませんので、非農地証明のみでは農地の所有権移転は行えず、事前に非農地証明を添えて地目変更登記を行い、農地法の適用がない状態にした上で所有権移転登記を行う事となります。
非農地証明は、農地法許可に比べて手続き自体は簡易です。現況が長期間農地でなくなっている場合は、まずは非農地証明を受けることができないか検討しましょう。
ただし、現況がいくら農地でなくなっていても、その土地が農用地区域内である場合は、非農地証明が出る事はありません。その場合は事前に農振除外手続きを行う必要があります。
また一筆の農地の一部のみに建物等があり、その部分は非農地であってもその他は農地である場合などでは、その土地一筆全てが非農地である証明を受ける事は出来ません。建物のある土地の地目変更をしたい場合は、事前に建物部分とその他の農地部分で分筆登記をする必要があります。
非農地証明と登記の関係
上記の通り、非農地証明の交付を受け、地目変更をすれば農地で無くなりますので、農地法の適用なく自由に所有権移転等が可能となりますが、登記簿上の地目変更原因日付より以前を原因日付とする所有権移転等をする場合は農地法の許可等が必要となるので注意が必要です。
例:「昭和50年4月1日地目変更」として登記がなされている土地につき「昭和49年4月1日売買」を原因とする所有権移転登記を申請する場合
上記は有名な先例ですが、所有権の移転原因(売買)が、未だ地目が農地である状態の昭和49年4月1日に発生しているので、農地法の適用があり、農地法の許可等が必要となります。
しかし、地目変更日付が「年月日不詳地目変更」となっている場合は、所有権移転の原因日付に関わらず農地法の許可等は不要です。
非農地証明の交付を受けて地目変更をする場合、下記の非農地証明の条件からすると、一般的には地目が変わった原因日付は10年ないし20年以上前の日付又は年月日不詳となりますので、気にされるケースは少ないかと思われます。
非農地証明の条件
また非農地である事の判断基準も各市町村により異なりますので、事前に農業委員会等に確認する事が必要です。
1.農地法が施行された日(昭和27年10月21日)よりも前から非農地であった土地
2.自然災害による災害地等で農地への復旧ができないと認められる土地
3.やむを得ない事情によって10年以上耕作放棄されたため自然荒廃した土地で、農地への復元の見込みがないこと
4.人為的に転用した土地で、転用事実行為から20年以上経過している土地
申請に必要書類
また、証明願いには原則として事前に、地区担当の農業委員1名又は2名から内容聴取及び調査確認の署名捺印をいただく必要があります。
必要な書類や農業委員の事前確認手続き等は市町村により異なります。
非農地証明願いに必要となる書類 | 備考 |
---|---|
証明願い | 必要 |
登記簿謄本 | 必要 |
位置図 | 必要 |
公図の写し | 必要 |
農業委員からの証明書 | 必要 |
現況写真 | 市町村によっては必要 |
始末書 | 無断転用の場合必要 |
証明書交付までの期間
申請は提出する市町村ごとに毎月の受付締切日が設けられていますが、随時受付の市町村もあります。締切日は市町村ごとに異なりますが、概ね毎月10日前後です。
締切日までに申請した場合は、当月末若しくは翌月上旬に各市町村の農業委員会での審査の後、証明書の交付となります。
申請から証明書交付まで一ヶ月程度必要です。
ご依頼、ご相談は余裕をもってお願いいたします。
非農地証明願いサポート料金
サポート料金(税抜) | 備考 | |
---|---|---|
非農地証明願い | 40,000円~ | 当事務所にて農業委員との立ち合い及び証明取得、申請及び受領までフルサポートいたします。 |
また市町村によって異なる証明料が発生します。
※万が一当所のミスにより不許可になった場合は、報酬は全額ご返金させていただきます。
ただしお客様の虚偽や隠匿による場合はご返金できませんのでご了承ください。
非農地証明取得後の地目変更登記やその後に所有権移転登記を行う場合は、ご希望であれば司法書士及び土地家屋調査士のご紹介又は連携してのワンストップサポートも可能ですのでお気軽にご相談ください。※ワンストップサポートの場合でも司法書士及び土地家屋調査士によるご本人確認は必要となります。
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