下記に該当する業務が『探偵業の業務の適正化に関する法律』(以下、探偵業法という)で探偵業務として定められています。
①他人の依頼(※1)を受けて
②特定人(※2)の所在又は行動(※3)についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法(※4)により実地の調査を行い
③その調査の結果を当該依頼者に報告(※5)する業務
上記に該当するような探偵業務を行うには営業開始の前日までに営業所を管轄する警察署に探偵業開始届出書を提出しなければなりません。
探偵業務の定義に関する具体的な解釈
※1 他人とは?
当該契約に基づいて業務を行う者以外の個人及び法人等を言います。ただし、次のような業務は、調査を行う場合であっても、自己の本来の業務のために行うものですので、「他人の依頼を受けて」行うものではないことから、探偵業務には該当しません。
1.作家、著述家、フリージャーナリスト、インターネット・メディア等が自らの報道、
著作等の用に供する目的で行う取材活動等
2.学者、研究者等が自らの学術調査活動の一環として行う調査等の活動
3.弁護士、公認会計士、税理士又は弁理士が自ら受任した事務を行うため必要な活動
※2 特定人とは?
特定の程度については、個人の場合、住所、氏名等が必ずしも明らかである必要はありませんが、調査対象者を具体的に絞り込むことができる程度であることを要します。そのため次のような業務は、特定人に関する調査とはいえないことから、探偵業務には該当しません。
1. 研究調査機関等が行う世論調査、アンケート調査。
※3 所在又は行動とは?
現在のものだけでなく、過去又は未来の所在又は行動が含まれます。これらについての情報の中には、特定の時期における個々具体的な「所在又は行動」だけでなく、勤務先、所属団体等についての情報や素行等一般の情報が含まれます。他方、次のような業務は、「特定人の所在又は行動」についての情報収集を目的とするものではないことから、探偵業務には該当しません。
1. 単に個人又は法人の資産状況や経営戦略(経営戦略に基づきとった行動は除く。) についての情報収集を行うことを目的とする業務。
※4 その他これらに類する方法とは?
「その他これらに類する方法」とは、現場に出向いて行われる調査(実地の調査)の手法であって、例示に挙げられた方法(面接による聞込み、尾行、張込み)と 同等程度に対象者の権利利益を侵害する可能性があるようなものをいい、例えば、隠しカメラを設置し、その記録内容を解析する方法が該当します。次のような業務は、「実地の調査」を行うものではないため、探偵業務には該当しません。
1.単に電話による問い合わせやインターネットを用いた情報の検索のみにより調査を行うだけの業務。なお、実地の調査の対象となる者は、情報収集の目的とされる「特定人」に限ら れない。
※5 調査の結果を当該依頼者に報告とは?
探偵業務は、「依頼を受けて行う実地の調査」と「調査の結果の依頼者への報告」が一体となって行われる業務ですので、次のような業務は探偵業務には該当しません。1.実地の調査により個人の所在又は行動についての情報を広く収集し、データベ ースを構築しておき、そのデータを依頼に応じて提供するような業務。